私vs国連 〜悲劇の世紀末救世主伝説〜


「こぉ〜〜の、スカポンタン!何で数学のひとつやふたつ、マトモに出来ねぇんだよ!」


「仕方ねーだろ。トンビがそーそータカばっか生んでたら有り難みがねーわな。」


ボカッッッ!!


「く…………くぉのっ!クチばっか達者になりゃーがって!だーれが、トンビだっ、コリャ!!」


「っっ…っ……ってぇなぁ……!殴るこたねぇだろ!」


相も変わらず繰り広げられる親子漫才。


時空局の他の天使たちはそちらを見ようともせずに黙々と自分の与えられた仕事をこなしていた。


人間の目から見れば不思議な光景であろう。まだ定めを与えられていない、「不確かな事象」と呼ばれる存在が、時空局内の広い空間いっぱいに白い靄となって浮遊している。天使たちはその白い靄に「時間」という法則を与え、別部署の「運命局」へと送るのだ。


天界の中でも一、二を争う重要な仕事…………しかし、その責任者は全て部下に任せっきりなのである。


そしてサラダイエルは、息子セトのランドセルから昨日の数学の真っ赤っかの答案を取り出し、復習を始めだした。




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