私vs国連 〜悲劇の世紀末救世主伝説〜
「………国連軍、陸軍、州軍の損耗率はすでに50%を越えています。しかしながら敵の進軍はなおも衰える気配が無く………。」
ホワイトハウス・執務室。
大統領に報告をする主席秘書官・アッテンボローの表情は沈痛な色が見え隠れしている。
だが、その報告を受ける側の大統領は───。
「国連軍、陸軍、海軍、空軍
それでも止まぬ敵たちの進軍
やって来るぜヤツらグングン
俺は探す作戦、効果バツグン」
最近ハマったというラップに傾倒していて、現実を見ていない。
アッテンボローは聞こえないように溜め息を小さく吐き、幕僚長らに意訳した。
「大統領は、『国連軍すら動員して止められぬとは誠に遺憾である。かくなる上は最も効果的な作戦を展開すべく、貴君らの忌憚なき意見を求める。』と申されておられます。」
再び、執務室に緊張感が漂いはじめた────。
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