私vs国連 〜悲劇の世紀末救世主伝説〜
その男、危険につき
2009年・9月も残すところ僅かとなった、その日。
千葉・幕張メッセでは、久しぶりとなるコミケが開催され、会場周辺では「その方面の人々」で溢れかえっていた。
だが、空は晴れの予報とはかけ離れた、今にも泣き出しそうな黒い雲に覆われ、人々も天気への不安を口にしていた──────が、しかし。
それは、ちょうど正午の事だった。
『ちょっとHな同人誌を売りに来ていた坂田さん(仮名)の証言』:
いや、ちょうど昼頃…………だったかな。天気が気になって、何気なく、空を見上げていたんだ。
そしたら、空の一点から、真っ白い光が一本、スーって地面目掛けて降りてきたんだ………!
光は、すぐに消えて…………しばらくしたら、さっきまでの黒い雲が嘘みたいにピーカンでさ………。
ありゃ、何だったんだろ、とか不思議に思ってたら………………居たんだ。そこに。
まだちょっと季節的にゃ早いだろ、って感じのマントみたいなの羽織った、やけにガタイの良い、太眉の男が……………!!
.