【禁断の恋】赤い嘘【完】
「……なん……で?」


唇を離し驚きながら星矢を見つめると、星矢は一瞬ハッとした表情を浮かべ私から目を反らした。


「……わりぃ。どうかしてた」


そう言う星矢の顔は苦しそうで。


悲しそうで。


「……どういう意味?」


「さっきのは忘れて」


どうして逃げるの?


何で肝心な時に逃げようとするの?


私は思わず星矢の白いYシャツをギュッと握りしめた。
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