【禁断の恋】赤い嘘【完】
「私……星矢が好き」


思わず口からポロリと零れ落ちた言葉。


それはずっと心の中に秘めていた想いだった。


兄である星矢に抱いていた想い。


今まで気持ちを伝えることを恐れていた。


伝えてもこの想いを星矢が受け止めてくれるはずがないと思っていたから。


兄妹である以上、一線を超えてはならない。


分かってる。


分かっていたのに……。


でも、もう限界だった。


「私、星矢が好きなの。大好きなの。ずっと前から星矢だけを見てたの……」


「姫華………」


星矢は驚きながら私を見つめ、苦しそうに唇を噛み締めた。
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