【禁断の恋】赤い嘘【完】
「じゃあなんでキスしたの?抱き締めたの?妹だから……?妹にキスするお兄ちゃんなんているの?」


「いないな。俺どうかしてた」


「そんなの……酷いよ。
私は星矢が好きなのに……」


「……悪かった」


謝らないで。


謝られると、それが嘘ではないと言われているようで嫌なの。


星矢が自分と同じ気持ちなのかもしれないと、一瞬でも考えてしまった自分が惨めになってしまう。


「つーか、もう授業始るだろ。教室戻れ」


「私はここにいる……。だから、星矢が先に戻って?」


「いいから早く戻れって」

そう言うと星矢は私にクルリと背を向けた。
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