【禁断の恋】赤い嘘【完】
ねぇ、お母さん。


私は大人になんてなりたくないよ。


ずっと子供のままでいたかった。


ずっと子供のままでいれば、善悪考えず星矢と向き合えたかもしれない。


これから年を重ね、いつか星矢は大切な人を見つけ結婚するだろう。


愛する人との子供をもうけ、幸せな家庭を築く。


私はその時、心の底から祝福できるんだろうか?


……今の私には到底無理そうだ。


結婚式にも参加できないかもしれない。


絶対に泣いてしまうから。

笑顔でいられる自信がない。


どんなに避けられても私は星矢を諦める事が出来ずにいた。


体が、心が……私の全てが星矢を求めている。


……だから、決めたんだ。

私は星矢を諦めない。


でも、これ以上の関係を求めたりもしない。


私は星矢の妹として、ずっと星矢の傍にいる。


そう決めたんだ。
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