【禁断の恋】赤い嘘【完】
【9月15日】


俺のせいだ。
俺のせいで姫華に悲しい思いをさせてしまった。

姫華の泣き顔が忘れられない。

こんなに好きなのに、こんなに愛おしいのに。
兄妹という言葉が俺の邪魔をする。

抱き締めると、自分の気持ちにブレーキをかけられなくなってしまう。
でも…ずっと姫華の傍にいたい。

守ってやりたい。

隣にいてやりたい。

でも俺は姫華の兄貴。

血が繋がっていなかったとしても、俺が姫華の兄貴であることには違いない。

俺は好きな女一人守ってやることもできないんだ。



「星矢……知ってたの……?」


星矢は私と血の繋がりがないことを知っていたんだ。

「なんでずっと隠してたの……?」


星矢の日記からは私への想いが痛いほど伝わってきて。


私の目からは自然に一筋の涙が零れ落ちた。

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