【禁断の恋】赤い嘘【完】
化粧の濃い女にワイシャツを掴まれ、ブンブンと前後に揺すられながらも顔色一つ変えない男。


それは正しく私の好きな人であり兄の星矢だった。


「……黙ってないでなんとか言ってよ!!!」


涙ながらに女が星矢を怒鳴りつけた瞬間、


「……俺姫華が好きなんだ」


星矢がポツリと、しかし確かにそう呟いた。



「え…………?」



その言葉を聞いた瞬間、私の心臓がドキンと飛び跳ねる。




星矢も同じ気持ちでいてくれたの……?




『姫華が好きなんだ』



その言葉が頭の中で何度もリプレイされる。


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