【禁断の恋】赤い嘘【完】
―――――………
「姫華、今日どっかいかない?」
放課後になり教科書を鞄に詰め込んでいると茜が話しかけてきた
「あ……ごめん。今日はパス」
「そっか。何か用事でもあった?」
これといった用事はない。
でも今は一人になりたい気分だった。
今日の出来事は、星矢への自分の気持ちを見つめ直す良い機会なのかもしれない……。
「ごめん。今日行くところあるから」
本当は行くところなんてないんだ。
茜……嘘吐いてごめんね。
「そっか。じゃあ、また明日!」
そんな嘘に気付くはずもなく、手を振って教室から出て行った茜を私は申し訳ない気持ちになりながら見送った。