【禁断の恋】赤い嘘【完】
「え?おばあちゃんのところ?」


「そうなのよ。今日、病院に行ったらガンだったみたいで。身の回りの世話をする人がいないから、お父さんとお母さんで行ってくるわ」


「チョット待ってよ!お父さんとお母さんがいないんじゃうちのことは誰がやるのよ?!」


おばあちゃんの家は北海道だ。


東京から北海道へ行くとなると日帰りは厳しい。


財布を渡したということは、何日か北海道に滞在する気らしい。


「おばあちゃん、明後日手術らしいのよ。だから一週間ぐらいは家を空けることになると思うんだけど……姫華、家の事やれる?」


母は廊下にまとめてある荷物を手に取り首を傾げた。
< 26 / 175 >

この作品をシェア

pagetop