【禁断の恋】赤い嘘【完】

「……もう!星矢何やってんのよ!」


布団にくるまり必死に耐えていたけどもう限界。


先程までは降っていなかった雨が勢いよく降り出し、外は嵐のようだった。


自分の家の真上にあるのかと錯覚してしまうくらい、雷の音が大きくなる。


地響きがし、いつ停電になってもおかしくない状況だ。


「……何でこんな肝心なときにお母さん達うちにいないのよ!」


星矢はいつ帰ってくるか分からない。


きっと今日も女と出掛けているんだろう。


毎晩帰りの遅い星矢に期待は持てない。



諦めかけたその瞬間、雷が一層大きな音を立てた。
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