【禁断の恋】赤い嘘【完】


「……どうかな?」


私はカレーを恐る恐る口に運んだ星矢を不安気な表情で見つめた。


お風呂上がりで濡れた髪をかき上げいつもより艶っぽい星矢に胸がドキドキと高鳴る。


「……不味い。どうやったらこんな不味いカレー作れるんだよ?」


「嘘……一生懸命作ったのに……」


そう言って顔を歪めた星矢にガックリと肩を落とす。

こんなことになったのは全て雷のせいだ。


雷のせいで水の量を間違えたんだ。


ううん、慌ててたからルーが溶けきれていなかったのかも。


「……バーカ。嘘だって」

星矢は落ち込む私を見つめフッと微笑んだ。



「…………っ」


星矢はズルイ。


意地悪になったり、優しくなったり。


睨んだり、微笑んだり。


コロコロ変わるそんな態度が私をいつも苦しめるんだ。


……でもね、本当は知ってるよ?


口の悪い星矢が本当は優しいということを。


昔から星矢の妹として育ったから……。


私……他の誰よりも星矢の事知ってるんだよ?
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