【禁断の恋】赤い嘘【完】
「星矢が私の教室に来るなんて珍しいね……?何かあった?」
急いで星矢のもとへ駆け寄ると私は星矢に問いかけた。
「……飯。食材何にもねぇから買い物付き合えよ」
「買い物?」
「あぁ。つーか早く来い」
周りを取り囲む女の子達の目はキラキラと輝き、皆一様に私達の会話に耳を傾けていた。
「え……ちょっと……??」
私の腕を掴み無言のまま廊下を歩いていく星矢。
“兄妹で一緒にいるって珍しいね”
“星矢先輩めちゃくちゃカッコいい!!!”
すれ違う女子生徒達は皆星矢に釘付けで。
星矢を見ないで。
兄妹。
私達をそんな目で見ないで。
掴まれている腕に熱を感じながら、私は終始俯き星矢の後を追い掛けた。