【禁断の恋】赤い嘘【完】
「いらっしゃいませ〜!!」


近所のスーパーに足を踏み入れた私達を、少し太り気味の男性店員が笑顔で出迎えた。


「買う物決まってるの?」

「適当」


カゴを片手に持ちスーパーで買い物している星矢を見たのはこれが初めて。


「何か星矢ってスーパー似合わないね」


「うるせぇな」


クスクスと笑う私に目もくれず、カゴの中にキャベツやニンジン、じゃがいも、レタスなどの野菜を迷うことなくどんどん入れていく星矢。


大雑把というか気前がいいというか。


優柔不断な私には何の迷いもない星矢が少し羨ましかった。
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