【禁断の恋】赤い嘘【完】
星矢はそんな私を何も言わずにずっと抱きしめていてくれた。


でも……星矢の体は僅かに震えていた。


「……星矢……もう大丈夫だから」


星矢を安心させようと何度問いかけても、星矢は一向に私の体を離そうとはしない。



「………何でだよ」


すると、星矢は私を抱きしめる腕に力を込めそう弱々しく呟いた。


「何で姫華が………俺の妹なんだよ」


『何で星矢が私のお兄ちゃんなの?』


何度そう思ったことだろう。


それと同じセリフを口にした星矢の声はいつもより擦れていた気がした。
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