【禁断の恋】赤い嘘【完】
「この数式にXの2乗を当てはめて……―――」
長い眠気との戦いが始まり手に持ったシャープペンをクルクルと器用に回す。
Xの計算方法なんて今後の人生に生かされるの?
数学の授業中そんな事を考えながら、何気なく窓の外を眺めた。
外は快晴という名にふさわしく、一点の曇りもない。
そんな青空の下、校庭でサッカーをしている生徒達。
そんな生徒達から少し離れた場所にいる星矢を発見した私は、ハァと深い溜め息を吐いた。
サッカーをする様子の微塵も感じられない星矢は、沢山の女に取り囲まれていた。