フタリの事情。
*曖昧な立ち位置
【おさなーなじみ 幼なじみ(幼馴染)】

幼い時に親しくしていたこと。またその人のこと。





「親しくってーか、俺のは親しい既に超えてるし……」


国語辞典に呟いてる時点で、俺ってもう終わってるよなぁ。

相当重症だよ。


とか思いながら、ため息一つ。



“後悔先に立たず”


その言葉の意味を、身をもって実感してる。


現国の時間、暇つぶしに辞典なんか開くんじゃなかった。

ついでに、『幼馴染』なんてわざわざ引くんじゃなかった。



おかげで、あいつのこと思い出して。

ほら、自動的に頭の中、あいつの笑顔とか浮かべてるし。


今、めちゃくちゃ会いたい……



会って、声聞いて。

そんで、こんな想像じゃなくて本物の笑顔で、俺の名前呼ばれたりなんかしたら――


それだけで、超幸せかも。




――俺、関谷テツタ、17歳。


10年前から、現在進行形でいっこ下の幼馴染に片想い中。

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