フタリの事情。
得意げに笑ったりぃが、ぽたぽた雫を落としてる俺の髪にタオルをあてる。


こういうこと、多分何にも考えないでりぃはしてんだろうけど。


……ちょっと、てか、かなり近すぎだって!


ヤバイ。

せっかくさっき、一旦落ち着いたってのに!


俺、なんかめちゃくちゃ心拍数上がってきてる。



「サンキュッ。
あと自分でやっから!」


グイッ。


無理矢理りぃの手からタオルを奪って、すばやく身体を離した俺。



もしかして、今の不自然だった?

変に思われてないよな?


こんな気持ち、バレてないよな?



「……あ、そうだよね?
自分でやるよね」


「うん。
タ、タオルありがと」



頷いたいつも通りの笑顔に安心する。



良かった、大丈夫みたいだ。

りぃ、普通だし。

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