フタリの事情。
「んじゃ、帰ろ」


「うん、そうだね。
あ、雨やんだみたいだね?」



相変わらずの曇り空だけど、朝からずーっと降り続けてた雨は、もうすっかりやんでる。

今は名残で、湿った空気が残ってるだけ。



昔から、俺、雨は嫌いだった。

外でサッカー出来なくなるし、じめじめっとしてんのがなんか苦手だし。



でも、今日はこの天気に、少しだけ感謝してるんだ。

雨が降ったおかげで、部活の練習メニューが校内トレーニングになって、いつもより早く終わって。


今こうして、りぃと一緒にいられるから。






「――ねぇてっちゃん。
わたしが入学して、もう二ヵ月だよ。
時間が経つのって早いね」


まだ雨に乾いていない帰り道。

二人で並んで歩いてると、りぃが俺を見上げた。



その上目遣い、反則。

って、いちいち動揺すんな俺……



「てっちゃんと同じ高校受験して……
合格が分かった時はすっごい嬉しくて。
今こうして同じ制服着られてるのは、受験勉強みてくれたてっちゃんのおかげだね?」

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