フタリの事情。
目に入ったのは、水槽の中をふわふわ横切って流れてったクラゲ。

だから思わず、そんなこと口走ったけど、


「あははっ。
クラゲに見とれるの?」


りぃに笑われた……

俺のバカヤロ――!!



あーあ……

何で俺、もっと気のきいた会話とかできねーんだろ。


せっかくりぃとこうして、二人きりでいれてるのに、さ。






午前、部活が終わった後、速攻でシャワー浴びて。

身だしなみ整えて、りぃん家まで迎えに行った俺。


二人で電車乗って、りぃが行きたがってた水族館にもこうして来てて。

ここまでは順調だったんだ。



なのに、なんか。

これってデートだよな、とか思ったら、急に意識しちゃって。



さっきからずっとこんな調子。


目を合わせてもすぐ逸らしちまうし、話もはずまねぇし。



もしかしたら。

……りぃのこと、困らせてるかもしんない。

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