フタリの事情。
「てっちゃん、クラゲ好きだったっけ?
わたし、初耳だよ」


まだ笑い混じりの声に聞かれて、


「なんか癒されるじゃん、あの動きっていうか。
流されるまま~ってカンジで」


半ばヤケクソに答えた。


実際、本気でそう思ってる。


なぁ、クラゲ。

俺もさ、お前みたいに何にも考えずに、漂ってみたいよ……



って、現実逃避してる場合じゃないっつの。


なんか、会話……

何でもいいから、会話!



「りぃさ」


「うん?」


「あー……っと、その。
ガッコ、もう慣れた?」


飛び出たのは、「何でデート中の今、わざわざそんなコト聞くんだ?」、って思いたくなるような質問。

だけど、りぃは一瞬不思議そうに目を丸くしただけで、


「うん、慣れたよ!」


ニコッと微笑んだ。


チクショーめちゃくちゃカワイイ。

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