フタリの事情。
何でそんな、困った顔するんだよ?

そんなに俺に知られたくなかったことなのかよ。


……もしかして。

気になるヤツでも、その中にできたのか?



考えれば考えるほど、最悪の想像ばっかして。

なんだか、どんどん自分がみじめになってる気がする。



「ごめん、からかいすぎた。
りぃ、真っ赤な顔してムキになるから」


笑ってごまかそうとしたけど、本当の気持ちはごまかせない。


りぃが、なんて嘘だ。

一番ムキになってたのは、俺じゃん……



幸いりぃは、今のを冗談だと思い込んで、小さく膨れてる。


「もぅ……わたしで遊ばないでよ!
いつまでも、子供扱いしないで。
てっちゃんとは一歳しか違わないんだよ?」


子供扱いなんてしてないよ。

「女の子扱い」しかできないから、困ってるんじゃんか。


「だからごめんって!
そんじゃ、仕切り直し!
イルカショーでも見に行くか!」


機嫌直して笑顔で頷いたりぃに、ほっとした。



――そして、今のでもう一度、思い知ったんだ。

俺、いつまでも片想いはイヤだって。

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