フタリの事情。
口をとんがらせて拗ねてるりぃ。

さっきまで、笑ってくれてたのに。



とにかく、


「俺なんかしたか?
だったら言ってよ、謝るから」


こんな空気のままデート終わりとか、マジあり得ない。

後味悪すぎ。


家帰っても、絶対引きずる!

ずっちモヤモヤしたまんまになっちまう。



「言葉で言ってくれないと、わかんねーよ。
俺、バカだから」


それに、きっと。


「理由はわかんないけど。
俺が悪いんだろ?」


それだけは分かるよ。

今までだって、俺、何度もりぃを無意識に怒らせてたことあったし……


今回も、そのケースなんだろ?



でも、


「……そういうの、ズルイよ」


返答は、いつものとは違ってた。



「言えるワケないじゃん……
てっちゃんに、てっちゃんにだけは」

< 33 / 89 >

この作品をシェア

pagetop