フタリの事情。
ただでさえ、見ず知らずのライバルが多いってのに……

これ以上増やしてたまるかってハナシ。



「何でイヤなの?」


「何でって、俺以外のヤツにそういうことしてほしくないし。
それにさ、相手がもしもりぃに気があるヤツとかだったら、変な勘違いとかしそうだし、」


「はい、ストーップ」



遮って、ワタルはニッと笑った。



「今のテツタのセリフ、どっかで聞いたコトない?」


「え?」


「キーワードは、“勘違い”」



ワタルの言葉に――

思わず、ハッとした。



ふいに頭の中に響いたのは、りぃのあの日の悲しげな声。


『ファンの子に、こんな優しくしちゃダメだよ?
カン違い、しちゃうから』



もしかして、りぃと同じコト……

俺、言ってる…のか??


「テツタ、やっと気付いた?
幼馴染ちゃんのキモチ」

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