フタリの事情。
りぃの……気持ち?

って――?


視線を上げると、頬杖をついたままのワタルが意味ありげに笑った。



「ワタル、もしかしてりぃは……
りぃは俺のこと……」


「うんうん」


「俺のこと、すげー心配してくれてるのか?」


「うんう、……はぁっ――!?」



ガタン!


ワタルが勢いよく立ち上がったかと思うと。

今度は俺を……キッと見下ろしてる。



「何で今の話でそういう流れになるのさ!」



ワタル?

な、何でそんな興奮?



「や、だって……
好きでもない女の子に優しくして、カン違いさせるなって、そういうことだろ?」


「……テツタ……」


「変な期待持たせて傷付けるな、って。
そういう意味だよな?
分かるよ、俺」

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