フタリの事情。
ここはしっかり言い返すと、タツ兄はよよ、と泣きマネなんかして、


「ひっ、ひどいっ……
えーんアツシィ、弟が俺をいじめるぅー」


「タツキ、くっつくな。
ジャムが塗れねーだろ」


ってジャム優先すんのか?

もっと突っ込むトコロ他にあるじゃんかよぉ、アツ兄……


「あぁ、パックに口つけて飲まないでよ!
タツ兄、ちゃんとコップに入れて!
俺もその牛乳飲んでるんだから!」


「そんなちっちゃいこと気にするから、テツタは度胸もちっちゃいんだよ。
告白なんてどーんとやっちゃえよ」


「タツキもテツタも、ジャム食え。
糖分が足りないから、お前らそんな朝からカッカしてるんだ」



――バンッ!!


ドアが壊れるんじゃないかって思うほど、乱暴に開けたのは、


「朝からうるさい!!
なんなのさ、ぎゃーぎゃー耳障りで寝れないっての!」


四男坊で、三歳下の弟ミツヤ。

今は中学2年生。


「俺の貴重な睡眠時間、邪魔しないでよ!」


ミツヤは、寝起きはいつも機嫌が悪いけど、今日も相当悪いみたいだ。


目が怖ぇ……

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