フタリの事情。
雨が降って、篠宮との散歩は出来ないわ、朝練はないわで。

ここに来て、トドメの兄ちゃん達の裏切り。


俺、今日は運気最悪なのか?




「――つまり。
テツ兄がりいさんトコ行けば解決するって話でしょ?」


タツ兄の偏った説明を一通り受けて、ミツヤが出したやっぱり偏った答えに、俺は若干泣きたくなった。


分かってたよ、こうなること。

だからミツヤには聞かれたくなかったんだよぉ……


「テツ兄、さっさと仕度して、りいさん迎えに行って」


鶴の一声。

こんな状況で、逆らえるはずもなくて。


「了解……」


「それから、もう一つ言っとく。
俺、テツ兄の彼女はりいさん以外受け付けないから」


「ミッ、ミツヤ!?
お前、何言って……」


「こうしてモタモタしてる間にりいさんに誤解されて、もし他の男に奪われでもしたら、承知しないからね」


誤解って、何の?

つーか、脅しが怖すぎる……


「テツ兄も、さっさと気づけって話だよ!
とにかく行って!」

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