フタリの事情。
*傘ぱにっく
まず、笑顔で「おはよう」だ。


それから、「昨日の夜何してた?」とか、「今日雨で篠宮の散歩行けなかったんだ」とか、色々話題振って。

前みたいに沈黙だけはしないように気をつけないと……



あぁー……すげー緊張する。

一緒に学校行くのなんて、りぃの入学式の時以来だっけ?



バクバク言ってる心臓を落ち着かせようと、一回、深呼吸。

インターホンを押そうとして、だけどためらってはやめて、なんて行動を三回は繰り返して、


――ピンポーン……


ついに俺は、思い切った。



ガチャッ。


すぐに見慣れたドアが開いて、


「てっちゃん、おはよ!」


にこにこしながら現れた、りぃ。


……うわっ、うわちょっと。

朝からかわいすぎなんですけど。


「おは……おはよ」


だから、噛むなよ俺……

あーもー心臓ヤバイし!

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