フタリの事情。
「わた、わたし……何言って……
やだ、こんな……」


あたふた、あたふた。


ちっちゃく足踏みしたり、俯いたかと思う急に顔上げたり。

完全にパニック中のりぃ。


こんな落ち着きないトコ、初めて見たぞ……

って、そんなん、今はどうでもよくて!



頭の中でりぃが早口で言った言葉を、必死に分析する俺。

本能ではもう、喜んでる。


りぃが、俺にとって嬉しいことばっか並べてくれたんだってことは、分かってるから。




「りぃ、サンキュな」


ピクン。


柄を持つりぃの手がかすかに揺れて、反応。

迷ったような、ほんの数秒の後、


「てっちゃん……」


不安げに俺を呼んだ声は、いつもよりも大分小さい。


「うん、分かってる」


「………」


「りぃの気持ち、ちゃんと伝わってるから。
だから、俺……
俺な、すげー嬉しいんだ」

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