フタリの事情。
食べなくても平気だって、んなわけないじゃんか。

ちゃんと三食食べないと!



つーかセナちゃん、ダイエットとか必要ないと思うけどな。

まぁそういうのは個人のことだから、口出しはしないけどさ。


前にりぃに怒られた前科もあるし……



とにかく、セナちゃん、このままほっとけない。

いつも昼抜きならまだしも、弁当忘れたってことは元々食う予定だったってことだし。



「セナちゃんさ、どれがいい?
女の子だから、チョコチップメロンとか?
焼きソバロールもうまいよ」


「え……?」


意味がわからないと俺を見たセナちゃんに、


「おすそわけ。
今日はいつもより多めに買ったからさ、セナちゃんにあげるよ」


パンを目の前に差し出した。


「あ、たし、そんなつもりじゃ――
それは関谷先輩のご飯ですから、いいで、」


「よくないって。
困った人を放っておくなってのが、関谷家の方針だから、気にしないで」


「でも……」


「セナちゃんには部活の時、世話になってるし、そのお礼もかねて。
サッカー部員として、大事なマネのピンチ、見過ごせないよ」

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