フタリの事情。

腹が減ってちゃ、この後の授業にも集中できないだろうし。

何より、セナちゃんが昼抜きになったりでもしたら、俺のが気になる！



「ほら、選んで」


「関谷先輩……
……じゃあ、メロンパン……貰ってもいいですか？」


「もちろん！」


「ありがとうございます……
ご迷惑、おかけしてごめんなさい」


相変わらず、セナちゃんは丁寧だ。

また深々頭を下げてる。


「迷惑になんて、全然思ってないよ。
一個じゃ足りないっしょ？
これもあげるからさ、食って」


ついでに、渡したメロンパンの上にチーズバーガーものせといた。


念のため。

セナちゃんがどんだけ食うのかわかんないけど、足りなくて困ることはあっても、余りすぎて困ることはないだろうから。


「先輩っ！」


「その代わり、マネの仕事、いつも通り頑張ってよ。
じゃあ俺、友達待たせてるからさ」


「あ、はい。
引き止めてごめんなさ、」


「引き止めたのは俺！
だから謝らないでいいよ、じゃあね！」