フタリの事情。
「わっ……とと」


りぃの空いてる左手は、不安定な身体を支えようと本棚にしがみついてて。

うわ、超心配……


「なぁりぃ、やっぱ俺が、」


「だーいじょうぶだってば。
今のはバランス崩しちゃっただけ!」


そんな中、2、3冊……

ついに5冊目となんとか戻してって、りぃがこっちを振り返った瞬間――


ガッ……


靴の裏がすべる音が聞こえて、足を踏み外した身体が俺の視界からずれた。


――やばい。

あ、危ねっ――


「りぃっ!!」


とっさに夢中で手を伸ばした。

多分りぃを受け止めは出来たけど、突然の重みにバランスを崩してそのまま倒れこんだ俺の背中は床に強打。


いっ……

――いてぇぇ!!


「て、てっちゃんっ……!!
大丈夫っ!?」


やたら近くで聞こえてくる声は、すげー心配してて。

大丈夫だから、って言いたいけど、正直痛すぎて言葉が出てこない。


それでも、ムリに身体を起こした時、


ちゅ。

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