フタリの事情。
………

………ちゅ??


ちゅって――!!


「うわぁっ!!」


反射的に身を引いた。


でも――これからどうすりゃいい?


あ、あ、あ、やばい。

マッシロ、なんか今頭の中マッシロだ。


俺完全テンパってる。



これ以上ないってくらいの、超至近距離の中。

時間を止めたみたいに1ミリも動かないりぃと目があって、


何でもいいからとにかく出て来い日本語。


「ごめん!
ごめんりぃワザとじゃないんだ!」


早口でばーっと出てったのは謝罪だけど、紛れもなく俺の本音でもある。

だって今のは本当に本当にワザとじゃないんだよ!!


事故だ、不可抗力だ!


まさか、こんなドラマみたいなベタな展開ってありか!?


俺がりぃと――

りぃとキスしちまうなんて――!!

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