フタリの事情。
どっから意識が飛んだんだ?

ってか、そんなこと今はどうでもいいんだって!


りぃを抱きしめる、とか――

俺、なんてこと仕出かしたんだ……


さっきのキスとはワケが違う。

だってこれは事故でも偶然でもない。


ヤバイどうしよう。


言い訳とか何よりも、とにかく、


「ご、ごめんりぃ……」


「……び……」


「び?」


「びっくり、した……
てっちゃん、いきなり……ぎゅって……」


「そ、そうだよな。
ごめんな、突然……」


「………」


完全にりぃが困ってる。


あぁ……今まで幼馴染やってきたのに。

こんな一瞬のことで、何もかもムダんなって壊れんのか?


りぃにとっちゃ、今から俺はブラックリスト入りの危険人物だ。

つか――もしや変態レベル?


それ以外の何もんでもない……って、マジ凹む。

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