フタリの事情。
気まずい空気ってのは、そう簡単に消えるもんじゃない。


図書室での煮え切らない感情を引きずったままのりぃとの帰り道は、やっぱり会話らしい会話なんて生まれるはずもなくて。

お互い気遣いすぎて、言葉を交わしても一言、二言ってレベル。


これじゃ朝の挽回どころか、マイナスだよなぁ……

なんでやること全部、裏目に出るんだろ。


要領悪いのかな、俺。

……今更、か……


「ね、てっちゃん」


ふいに、りぃが俺の袖をくいっと引っ張った。


「寄り道、しよっか」


「え?」


「公園、行かない?
家の近くの……」

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