キケンな恋はハチミツの香り
バカな賭け
――…pipipipipipi
「―――んー…、今何時ぃ?」
未だに煩く鳴り響いている時計に目を見張った。
「7時…55分ーー!?!?」
眠気も吹っ飛んだところであたしの一日が始まる。
1LDKの小さな小さなボロアパート。
玄関の鍵なんて完全に壊れてて、誰が来ても拒まない。
壁から入る隙間風は、冬になったら命取り。
床なんか今にも抜け落ちそうになっている。
そんなボロアパートに住んで、もう1年が経とうとしていた。
あたし、
築島藍菜【ツキシマアイナ】
16歳・高2
住み慣れた田舎を離れ、都会で一人暮らししてるのには、ちゃんとした訳がある。
でも…、まだ言わない。