【短編 時間を越えて】
亨は外傷こそは少なかったものの、打ち所が悪かった。

運よく生き延びたものの、完全な植物人間となっていた。

いわゆる脳死の状態。

医師の説明を受け、美紀と亨の両親は決断を迫られた。

亨を延命させるか、それとも…。

亨は深い眠りの中、幸せそうな寝顔をしていた。

そんな亨の左手の薬指には交換するはずだった指輪がはめられていた。
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