【短編 時間を越えて】
「それと、国から毎月支援金が送られることになってます。
どうしても時代が違うと働くこともままならないですからね。
毎月、3000ドルが支払われます。」

「3000…ドル?」

「そうです。 あ、吉沢さんの時代は確か円が通貨単位でしたっけ?
いまは世界共通でドルが通貨単位になってます。」

亨は驚きの連続で頭が痛くなっていた。

「なにがなんだか…。」

亨はキョロキョロと周りを見渡した。

「先生、タバコってあります?」

その言葉に医師は笑って答えた。

「吉沢さん、タバコ吸ったら禁固刑ですよ。
いまは薬物の一種に指定されてますから。」

「そ、そうですか…。」

亨は苦笑いを浮かべ頷いた。
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