【短編 時間を越えて】
亨はさっき来た道をそのまま引き返した。

手に持った指輪の箱と幸せを握りしめ教会へと急いだ。

駐車場を出て県道へ。

その時、亨の左側からスピードを出した車がやってきた。

亨はそのことに気づかず、県道を走って渡ろうとした。

けたたましく響くクラクションと急ブレーキで発せられた音が辺りを包み込んだ。

次の瞬間、車は亨の体をはね飛ばし、亨は歩道まで吹き飛ばされた。

亨の手には小さな箱が握られたままだった。
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