お家に帰ろう。
(あの男って誰だ?関口のおじさんのこと?それと明は何の関係があんだ?)


話が長くなると勝手に予想し、
階段に腰をおろす将人。



「だいたい、葉月ちゃんが死んだことすら知らないんだ…」

(関口のおじさんのことじゃないなぁ…)

「そんなの、調べればバレるわ!」

「何のために?!おまえは昔の男のこと調べるか?!俺は調べない!普通そーだろ?」

「だって、あーゆー地位の人だから!」

(アーユーチイって何だろ?)

「子供も未だみたいだし、親権を振りかざされでもしたら」

「明は生まれなかったことになってるんだぞ!」

(え?!)

「そんなの…戸籍見れば分かるって言ってんの!」

「認知されてないんだ、名前がないからバレないさ。」

「うちの戸籍の養子って文字で、葉月の子だってピンとくるわよ!」

(…なんだよ…それ…)


そのあたりからは、二人の言ってることが、あまり良く分からない将人だったが…


「大丈夫だ!向こうは中絶を言い立てたんだぞ!」

「でも葉月は産んだわ!現に明は存在する!」

「うちの子としてな!きちんと産みの母親と、 養子縁組されてるじゃないか!」


そのときだった。

「まーくん、どーしたの?」


突然、将人の後ろから、明の声が聞こえてきた。

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