お家に帰ろう。
それは、将人の彼女が家に遊びに来た日のことだった。


彼女が、ちょうどトイレから出た時、
学校から帰ってきた明と対面。


「あ、こんにちは!お邪魔してます。」

「…こんにちは。」


ニコリと微笑んだ彼女は、
将人の部屋のドアを開けるなり、

「ねぇ、妹さん帰ってきたよ。」

と報告。


何てことのナイ言葉だが、

(帰ってきて悪かったね!)

明はムッとした。


しかも、その報告に何も反応してみせない将人を、
自分の部屋に入る前に、少しだけ待ってしまったことも腹が立っていた。


ソレからしばらく、何をするワケでもなく部屋にこもる明。


耳をすませば、将人の部屋の物音が聞こえてくるような気がした。


(二人は部屋で何してるんだろ?)


つきあったことのない明は、その未知の世界が気になって仕方がない。


自分の家なのに居心地が悪く、

(はーちゃん早く帰ってこないかな…)

珍しく、そんなことを思うのだった。

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