お家に帰ろう。
訳も分からぬまま、あとの二人がついて来るのにも気が付いてた。


結局、吉岡の息が切れた所が、
妹の無念(…?)を晴らす場所となる…ハズだった。


軽く走ったあとで、テンションのあがっていた将人がはじめる。


「妹を侮辱してくれたんだって?!」

「ふっ!つーか俺、結局なんもしてねんだし、良くないっすか?」


この段階でカチンッときていた将人。


「何もしてねーことないだろ!」

「はっきり言って、めんどくさいんすよ!あんたの妹、二人とも!」

「なんだとコラ〜っ!!」


自分は年上だし、話し合いで決着つけるつもりの将人だったが、
沸々と怒りが込み上げ、


「あ〜。あの夢見る少女の兄貴なワケ?」


二人の友達うちのどちらかの言葉で、その怒りは頂点に達し、
吉岡の顔をめがけ、殴り掛かかっていた。


よろめく吉岡を見届けた瞬間に、あとの二人に押さえ込まれ、殴り返される将人は、
今まで、殴り合いの喧嘩など経験がなかったため、その痛みに体を屈めた。

するとそこへ、
相手の膝が顔面に入り、将人は、道端に横たわる。

そのあとも、
その男の蹴りは止まず、
頭をかばって、うずくまる将人の腹部に、何度も足が叩き込まれ続けた。


その時…

「何してるんだ!通報するぞ!」


その近所で、店を構える店主が、大声を出しながら近づいて来た。

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