お家に帰ろう。
タクシーの中で、将人は横腹の痛みを訴えていた。


マンションに着き、部屋のドアを開けると、一目散にベッドへと向かい、腰掛け、ゆっくりと横たわる将人。


「痛ててて…」


その様子を、哲司は心配そうに見守る。


「あばら…折れてんじゃね?」

「かもな。でも、すぐにくっつくっつーじゃん。」

「医者に診てもらったほうが」

「冷やしときゃ大丈夫だよ。」

「…湿布とかあんの?」

「ない。悪りーけど買ってきてくんない?そこの道…っててて…駅に向かってくとドラッグストアがあるから。」


指を差しただけで痛がる将人に

「骨ズレてたらどーすんの?」

忠告するも、

「いーから早く。」

言うことを聞いて買い物に出かけるのだった。


湿布薬はすぐに見つかり
コンビニに寄ってからマンションに戻ると、
将人は同じ体勢で横たわっていた。


「買ってきたよ。」

「サンキュー。」

「あと飲み物と、すぐ食えるオニギリね。」

「気が利くなぁ。」

「まぁね。でも明日からどーすんの?」

「なんとかなるよ。」

そう言って起き上がり、ペットボトルのキャップを開けるのすら顔を歪ます将人に、

「…弥生さんに来てもらう?」

と、携帯電話を見せる哲司。

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