お家に帰ろう。
地元の駅の、改札のそばにあるコンビニに哲司は立ち寄った。


特に買う物は無かったのだが、
何かが知らせたのか、
通りがかる遥を見つけ、声をかけた。


「うっす!遥!」


いつもなら“めずらしい〜一人?明は?”などと言うのだろうが、

気まずいのか、
チラッとだけ目を合わすと、
ツンーッとして、そのまま歩き続ける遥。


「今日は上條家の人々とよく会うなぁ。」

「地元なんだから当たり前でしょ。」

「だって、明となんか、マサくんちのそばでだぜ!なんも約束してないのにさ!」

「…また二人でコソコソと。どうせ、私のことでも話して笑ってんでしょ!」

「違うよ!!そんなんじゃないって!」

「!」

「マサくんが怪我してっから…」

「怪我?なんでまた?」

「遥さぁ、自分だけが被害者みたいなのやめろよ!」

「なによ?!」

「言うなって言われたけど、もういいや!マサくん吉岡達にボコられて怪我してんだぞ!」

「どうしてまーくんが?」

「そんなの、遥の仇にきまってんじゃんか!乗り込んで行って…やられたんだよ…」

「…ばっかじゃないの!勝手なことばっかりして!」

「皆、遥のことが心配だからだろ!」

「!」

「なのにそんなさぁ…」

「…」

「そんなんだから話に入れてもらえないんじゃないの?」

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