お家に帰ろう。
学校帰り、
友達と原宿まで足をのばして、
ウロウロしていた時のこと。


「明?!」


名前を呼ばれ振り返ると
それは、遥だった。


「あ。」

そして隣には
きっと彼氏であろう男の姿も…。


「え、妹?…へ〜。」


黒髪の短髪で、
一見、爽やか風のその男は、
ニコリと微笑み、

「ども。」

「あ、ども。」

軽く挨拶を交わすと、

「S女かぁ。」

と、制服を見て言った。


そんな明に友達が詰め寄り聞く。

「誰?」

「あぁ、お姉ーちゃん…と、彼氏?」


すると遥は、万更でも無さそうに

「うふっ。ねぇ、お母さんにはコレね。」

と、唇の前に人差し指を立てて見せた。


「知ってるみたいだよ。」

「うそ?」

「マジ。」


そして、前に母親が言っていたコトを思い出し、

“この人なら心配ないのでは?”

と、判断した明は、

「今度、うちにも遊びに来てくださいねぇ!」


首を傾け、愛想良く言った。

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