お家に帰ろう。
「見るからにソレっぽいのは、はじめからパスだから俺。」

「兄貴とは大違いだな。」

「一緒にしないでよ。」

「好きになった子がまだだったら?」

「それまでつきあった子は、皆、アリだった。」

「経験ありのアリ?」

「卒業きっかけってやつ。ピリオドだったり、記念だったり、絆だったり?…将人くんはいつ?」

「え!」

「兄貴は高2の時だって知ってた?」

「ああ。ってホラ、早くやろうぜ。(そんなもんなのか?今の高校生事情って…皆が皆そんなワケじゃないだろ?生意気だもんなぁコイツ。馬鹿だし。)」

「でさ、妹ってどんな?」

「パスって言ってたタイプだよ。」

「分かんないよ〜。身内は過保護だから。うちの子にかぎってってね!」

「ないない。(あ、遥は危ないか?)」

「真面目な奴らだってやってるぜ。何事にもマジだから。真剣と書いてマジと読む…みたいなね。」

「馬と鹿って書いてバカと読むみたいな?」

「それ、まんまでしょ!」

「やっぱり?」

「それ言うなら、馬鹿と書いてオレと読むだよ。」

「ピンポン。正解!」

「くそっ!兄貴なら大喧嘩になってるよ!」

「ははは…(だろうな。)」



その帰り道、携帯電話を取出し、明のパソコンに送ったメールの内容は…

『お前、どこ受けんだっけ?女子校にしとけば?』

だった。

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