お家に帰ろう。
それから数日後の食卓で、

「あ、そうだお母さん。あたし私立一本に絞ろうかと思うんだけど。」

「!そーなの?」

「どーした?テツと喧嘩でもしたの?」

「なんでそーなるの?」

「意地っ張りはダメよ。自分のコトだからね!よーく考えないとね!」

「当たり前でしょ!ホラあたし勉強嫌いだし、もう一回受験は勘弁だと思ってね。今からじゃ、はーちゃんみたいに大学重視には選べないけど、あたしのレベルでもイケる、どっかの短大付属のさぁ」

「女子校?」

「しかないでしょ?」

「この子ったら、今頃になって言うから…」

「イーんじゃね。女の子なんだし。」

「だって、あと3ヶ月だよ。」

「なんなら俺、勉強見てやろうか?」

「そうよ将人。友達の弟より、自分の妹を面倒見てよ。」

「俺、教えんの上手いみたいだから。この調子ならあの馬鹿も進級できそうだよ。」

「そのレベル?」

「ま、俺も色々学べてるから。」

「色々って?」

「今どきの高校生事情。こんな女子校生には気をつけろ…みたいなね。」

「相手にされないから大丈夫。」

「遥に言われても説得力ナッシングーなんすけど。」

「なによー!」

「ご馳走様。」


逃げるように部屋へと戻っていく将人は、

『上手い言い訳考えたもんだな』

明にメールを送った。

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