お家に帰ろう。
ある日の朝。

「おっす明。」

「あ、おはよ。」


登校中、哲司が声をかけてきた。


「おまえ、女子校志望なんだって?」

「うん。」

「なんで?」

「…男じゃないから。」

「…あ、そ。」

「ふふ。清々するでしょ?ヒヤかされることもなくなるし。」

「今更もう気にならないけど。」

「彼女は気になるんじゃないの?やっぱ。」

「そーかな?」

「あんた鈍感だからね。」

「うるせ。」

「ま、家にはいつでも遊びに来たら。」

「なに?その上からな感じ。」

「まーくんがあんたのこと可愛いってさ。」

「その報告も微妙〜」

「やさぐれていく様子を観察したいって。」

「女子校だろうが共学だろうが、そんなもんおんなじだろ。」

「あんたの居ない学校生活なんてお初だね。お世話係から解放されて、ハメ外さないように。」

「大袈裟だよ。」

「そ?じゃあ、まだまだこれからも、よろしく!」

「イテッ!」


明は哲司の肩を叩いて、先に校門をぬけて行った。


「なんだアイツ?(そんなに周りの目が気になるのか?)」


哲司は頭をかきながら、ゆっくりと門をぬけるのだった。

< 214 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop