お家に帰ろう。
将人が帰ってくる回数が、
徐々に減ってきたある日、


「とうとう、彼女でもできたんじゃないの?」

そんな話題も飛び出した食卓は、

母と明の二人きりだった。


「はーちゃん遅いね。」

「明日、彼氏連れてくるって。」

「何時頃?」

「学校帰りって言ってたよ。」

「お父さんは?」

「居ないからに決まってんじゃない。」

「だよね。」

「明は?明日居るでしょ?」

「邪魔なら、時間潰して帰ろうか?」

「困るわょ〜!気まずいから一緒に居てよ。」

「えぇ…」

「なんなら、てっちゃんも一緒に!ね!」

「…臨時収入は」

「出す出す!」

「なら、しょうがない。」

「なんだか、急に皆して色気づいちゃって!明はどうなのよ?」

「ほっといて。」

「こわっ。」

「でもテツ明日いんのかなぁ?」

「ほら、電話電話!!」



こうして、
明日の準備が調えられた。

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